Google for jobs(正式名称:Googleしごと検索)がついに日本でもリリースされましたね。
この記事では、そんなGoogle for jobsで様々な求人系ワードの掲載確認テストを行いました。
「Google for jobsってそもそもどんな機能なの?」という人から、「実際の掲載画面が見たい」、「機能の影響範囲が気になる」という人まで必見&拡散歓迎の内容です!
なお、結論から書いてしまうと今回の掲載確認テストで以下のことが分かりました。
Google for jobsの掲載確認テストで分かったこと
- 求人系ビッグワードで検索すると軒並みGoogle for jobsの枠が出てくる
- 「地名+求人」「職業名+求人」「能力+求人」で検索しても軒並み出てくる
- 「社名+求人」や「求人サイト名+求人」だと出てくるケースとこないケースがある
- Google for jobsの枠はリスティング広告枠の下、かつ自然検索結果より上の位置に出てくるケースがほとんど
- 各求人情報クリック後の求人情報一覧画面は利便性が高そう
以降、具体的な話に進んでいきましょう。
この記事の目次(クリックで遷移)
Google for jobsの求人検索とは?
Google for jobsとは、単純に言うとGoogle版の求人検索機能です。
この機能を活用すれば、ユーザーが求人に関するKWで検索を行った際、リスティング広告枠と自然検索結果の間というかなり上位(以下キャプチャ参照)に求人情報が掲載されることになります。
つまり、自然検索結果の1位よりも上位に求人情報が掲載される事により、対応できれば自社の求人ページに多数のユーザーを呼び込める可能性が広がるのです!
求人を強化している企業サイトでは対応しない手はありませんよね。
では、まず実際の掲載結果を見る前に、Google for jobsの求人情報掲載枠に自社の求人情報を掲載するために必要となる対応から見ていきましょう。
とにかく実際の掲載イメージを先に見たい!という人は読み飛ばしていただいて構いません。
実装にあたって必要な対応
必要な対応は以下のいずれかです。
Google for jobs枠に自社求人情報を掲載するために必要なこと
- 自社サイトで求人情報を「構造化データマークアップ」する
- 自社の求人情報を「構造化データマークアップ」に対応した求人サイト(マイナビ、エン・ジャパン、Green等など)に登録する
おっと、まずはそもそも構造化データマークアップとは何かという説明から参りましょう。
構造化データマークアップとは
簡単に言うと、「求人情報」を検索エンジンが「求人情報」だと理解できるような表現で検索エンジンに教えてあげることです。
検索エンジンはサイトに例えば「海山商事の営業職募集中!月給30万円から」と単純にテキスト文で書いたところで、その文字の羅列が求人情報だとは認識してくれません。
そのため、検索エンジンに理解してもらうためには上記テキスト文と一緒に、検索エンジンに理解してもらえる特定のデータ形式で、以下のような情報をサイトに記述しておく必要があります。
サイトに追記する必要のある情報のイメージ
- 社名 = 海山商事
- 職業 = 営業
- 給与 = 30万円以上
テキスト文の他に上記のような情報を、検索エンジンの理解できるデータ形式でサイトに追記してあげる対応の事を「構造化マークアップ」と言うのです。
この対応をしておくことで、検索エンジンは初めてあなたのサイトに「こんな求人情報が載っている」と理解してくれ、その結果をGoogle for jobsの求人情報検索結果枠に表示することができるようになるのです。
なお、Google for jobsに対応するためにはschema.orgで規定されているjobpostingというデータ型で構造化データマークアップをする必要があります。
が、これは技術的な話を大いに含みますので、技術情報をもっと知りたいという方は以下のGoogle公式サイトを見てみてください。
リンク:求人情報の構造化データマークアップ方法(Google公式サイト)
実際の掲載確認をしまくってみた
さて、お待たせいたしました。
各種求人系ワードで求人情報検索をした結果画面をお見せいたします。
求人情報の検索クエリを以下7種類に大きく分けて、その全てのワードで実際に検索を行ってみました。
今回のテスト対象とした求人系検索クエリの分類
- ビッグワード(「ハローワーク 求人」など)
- 地名系クエリ(「求人 東京」など)
- 社名系クエリ(「NTT 求人」など)
- 求人サイト名系クエリ(「求人 an」など)
- 職業名系クエリ(「看護師 求人」など)
- Googleの競合名系クエリ(「yahoo 求人」など)
- 能力系クエリ(「英語 求人」など)
ビッグワードでの求人検索結果
まず、求人系クエリとして検索需要の高いビッグワードでの掲載確認結果です。
ちなみに、「求人」の単ワードではGoogleも自粛したのかGoogle for jobs枠は表示されませんでしたが、「求人」を含む複合ワードになると、全てのパターンにおいてGoogle for jobs枠の確認が取れました。
「ハローワーク 求人」での検索結果
このクエリは求人との掛け合わせワードとしては日本で一番需要の多いものとなりますが、Google for jobsの枠がバッチリ出てます。
1位はさすがにハローワークに明け渡していますが、2位に出ています。
出てくる求人情報はハローワークに必ずしも関係性の深いものだけとは限らないようですね。
ちなみに、語順を逆にして「求人 ハローワーク」で検索してみると以下の通り、見た目がまた変わります。
「求人サイト」での検索結果
リスティング広告枠より下部ではありますが、自然検索結果1位より上位にバッチリ出てます。
自然検索結果1位のマイナビ転職はたまったものじゃないでしょうね。。。
このビッグワードでマイナビ転職より上位掲載できているアドマップスという会社の求人広告企画営業職は非常に美味しいですね。
「求人 検索」での検索結果
例によって、リスティング広告枠と自然検索結果1位の間のパターンですね。
「求人 情報」での検索結果
さっきと同じく、リスティング広告枠と自然検索結果1位の間のパターンです。
「求人 募集」での検索結果
また間に割り込むパターンです。
以下、同様のパターンが続きますので、コメントを割愛します。
「求人 正社員」での検索結果
「求人 パート」での検索結果
「求人 アプリ」での検索結果
「求人 広告」での検索結果
「求人票」での検索結果
おっと!このパターンは広告枠が存在せず、堂々の最上位に掲載されていますね。
地名での求人検索結果
次に、各種地名との掛け合わせワードでの掲載確認結果を見てみましょう。
「求人 東京」での検索結果
ちゃんと東京の求人情報のみが表示されていますね。
ただ、クエリに職種の指定が無いので色々な職種の求人情報が出ています。
「求人 大阪」での検索結果
同じく、勤務地が大阪に絞られた情報が出ています。
「求人 北海道」での検索結果
同じく、勤務地が北海道に絞られています。
ただ、掲載サイトは全部DODAですね。
他社も頑張って構造化マークアップ対応すれば、他県に比べて掲載のハードルは低そうな気もします。
「近くの求人」での検索結果
ちょっと趣向を変えて、あいまいなワードで検索してみました。
キャプチャを取った時は千代田区にいたので、ちゃんとその付近の求人情報が出ていますね。
うーん、賢い!
社名での求人検索結果
有名どころの社名と「求人」を掛け合わせてみました。
結論から言うと、Google for jobsが出る社名と出ない社名があることが判明しました。
Google for jobs枠が表示された社名
- NTT
- ソニー
- ドコモ
- ソフトバンク
- au
- gu
Google for jobs枠が表示されなかった社名
- 博報堂
- 電通
- オプト
- アイレップ
- サイバーエージェント
- 任天堂
- ユニクロ
- メルカリ
- zozo
気になったので広告代理店を中心に攻めてみましたが、代理店は軒並み出ませんでした。
Googleの何らかの思惑を感じずにはいられ、、おっと誰か来たようだ。
続いて以下、掲載が確認できたサイトのキャプチャです。
「NTT 求人」での検索結果
「ソニー 求人」での検索結果
「ドコモ 求人」での検索結果
「ソフトバンク 求人」での検索結果
「au 求人」での検索結果
「gu 求人」での検索結果
auを調べたので、ついでに1文字変えてguも調べてみました。
guに関してはリスティング広告枠がそもそもないので、堂々の最上位掲載です。
求人サイト名での求人検索結果
有名どころの求人サイトに対してGoogleがどれだけケンカを売っているのかの調査です。
結論から言うと、求人サイトよりも上位に掲載されるパターンが確認できました。
が、調査数が少なかったですね。
もっとキャプチャを取ればよかった。
「求人 an」での検索結果
なんと、求人サイトよりも上位にGoogle for jobsが出ています。
すごいものを見た気がします。
「求人ボックス」での検索結果
「求人ボックス」というのはカカクコムが運営する求人情報検索サイトの名前です。
おっと、この場合は求人ボックスのサイトが自然検索結果の1位に掲載されつつ、2位に出てますね。
anよりは優遇されている印象ですが、その違いはどの辺りにあるのかが気になるところです。
職業名での求人検索結果
疲れてきましたが、次は職業名です。
職業は無数にあるので一部しか見ていませんが、どのパターンでも掲載が確認できました。
「看護師 求人」での検索結果
ちゃんと看護師の求人情報が出ています。
「運転手 求人」での検索結果
ちゃんと運転手の求人情報が出ています。
「トラック 運転手 求人」での検索結果
先ほど検索した運転手のクエリに加えて、トラックとの縛りを追加してみました。
その結果、トラック運転手に絞った検索結果が出ています。
「バス 運転手 求人」での検索結果
同じく、バスで絞り込んだ場合はバスの運転手の結果が出ます。
Googleの競合名での求人検索結果
これまた禁断の領域です。
結果は以下の通り。
Google for jobs枠が表示されたGoogle競合名
- yahoo
- amazon
Google for jobs枠が表示されなかったGoogle競合名
- microsoft
掲載確認できたサイトを見ていきましょう。
「yahoo 求人」での検索結果
なんと、今までに見ない自然検索の4位の位置に掲載されています。
これが「忖度」というやつでしょうか!
「facebook 求人」での検索結果
facebookはよくあるパターンです。
「amazon 求人」での検索結果
amazonもよくあるパターンです。
能力での求人検索結果
もうクタクタです。
「求人 英語」での検索結果
英語のスキルを活かせる求人情報が出ています。
どの能力名と掛け合わせても出てくるので、その他ワードは省略します。
変なワードで検索してみた(番外編)
あまりにどのワードでも検索結果にGoogle for jobsの枠が表示されるので、逆にこれは表示されないだろうというKWとの掛け合わせもやってみました。
「ニート 求人」での検索結果
出るんだ。
「パイナップル 求人」での検索結果
出るんだ。。
「横綱 求人」での検索結果
出るんだ。。。
横綱もGoogle for jobsで採用できる時代になったようです。
良かった良かった。
Google for jobsの求人情報をクリックした先の画面について
さて、まじめな話に戻ります。
これまでのキャプチャは検索結果画面のイメージでしたが、実際には求人情報をクリックした先の画面もあります。
それがこれです。
見た目としてはindeedにちょっと似ていますね。
各種カテゴリ(職種)、地域、投稿日、形態(フルタイム、パートタイムなど)、企業などを指定した絞り込みもかけられることが見て取れます。
画面上部の楕円で表記されている各種テキストがその選択肢となります。
キャプチャの例だとカテゴリで絞り込みをかける際の選択肢が出ていますね。
こんな感じで、求人情報一覧画面から更なる絞り込みを掛けられるということであり、利便性は高いです。
Google for jobsの日本正式リリースは2019年1月23日
機能リリース時の当サイトの記事は以下の通りです。
なお、リリースに関するGoogle公式情報としては以下をご確認ください。
参考:Google Japan Blog: Google しごと検索で、仕事探しをもっとスムーズに!
まとめ
今回は「求人」と各種KWを掛け合わせて調査を行いましたが、他にも「バイト」等のワードでも同様に掲載が確認できます。
そのため今回の掲載確認結果はあくまで氷山の一角ということをお忘れなく。
企業でお勤めの方は今すぐ社内や周囲に拡散しつつ、Google for jobs(Googleしごと検索)に対応しましょう!